ネオたぬ記

読んだ本の感想。見聞きしたこと。

読んだということだけでも記録に残す

ブログを放置していましたが、いろいろ読んではいました。

余裕のある時には読書とは違う勉強もちょこちょこと。いろいろ考えさせられた本も多かったですが、あまりちゃんとノートには残せず。せめて、読んだよ、という事実くらいは記録につけておこうではないかと改めて思いました。おおむね、上からよかった順に。

 

カズオ・イシグロ日の名残り

この数か月で読んだ本のうちでは、最も今の自分にささりまくった。いま読んでよかった。

「人生、楽しまなくっちゃ。夕方が一日でいちばんいい時間なんだ。脚を伸ばして、のんびりするのさ。夕方がいちばんいい」

 

高野秀行『謎の独立国家ソマリランド そして海賊国家プントランドと戦国南部ソマリア

高野秀行のすさまじい馬力が結実した著作。3つの「国(?)」のルポルタージュ。「氏族」を基礎にした、現代の日本からは想像のつかないルール、秩序の在り方。戦国武将に例えながらの地域の政治や紛争の説明もわかりやすい。

 

東野圭吾『ナミヤ雑貨店の奇跡』

だいぶ好き。明るくなれる。人間、人に頼らなきゃ生きていけないけど、頼られるのも大事なことです。

 

村田紗耶香『コンビニ人間

コンビニで働くときに「人間」になれた主人公。面白かった。文章も面白い。一度は読むべき。他の人と感想を話し合いたくなる。

 

国立がん研究センター研究所編『「がん」はなぜできるのか そのメカニズムからゲノム医療まで』

一番信頼できる、かつ読みやすい「がん」についての本の一つではないか。とはいえ、よみながら自分の学校レベルでの「生物」についての基礎知識のなさ・忘却ぶりを反省させられた。「がん制圧は容易ではありませんが、従来の学問的な枠組みを超えた取り組みを続けていけば、近い将来、必ずやブレークスルーが生まれるはずです」。医学の発展はすごい。

 

今野晴貴ストライキ2.0 ブラック企業と闘う武器』

ストライキの再評価と、現代の新たなストライキの在り方について。現状と将来の展望の区別が大雑把な感じもするが、それもまた味。面白かった。ストライキを「過激」とかおもってるうちは日本には未来がない。議論に賛同しつつ、いろいろ埋めなくてはいけない隙間についても考えた。

 

井上ひさし『ブンとフン』

読んだのは結構前のはずなのに、なんかちょいちょい思い出す。作家の想像力・妄想力よ。

 

高野秀行イスラム飲酒紀行』

イスラム圏のあちこちで酒盛りを楽しんだ筆者の記録。イスラムでは禁止されているはずの酒がどう飲まれているか。それを通じてこれらの地域の文化の在り方や振る舞いがいろいろ見えてきます。ただ、面白いけど高野作品のなかではやや散漫な印象。

 

小野寺史宜『ひと』

気持ちよい読後感。

 

伊坂幸太郎『AXアックス』

面白かった!ほかのもいろいろ読もう!と読んだあと思ったはずなのに、どう面白かったのかが既に思い出せなくなっているというひどい感想。でもほかの作品もちょいちょい読みます。

 

森まゆみ『京都不案内』

先輩からのいただきもの。京都は深い。しかし、飲食店の話に関心がいってしまう自分はよい読者ではない気がする。鼻につくのは自分のせいかもしれない。

 

日本経済新聞社『免疫革命 がんが消える日』

この間のがん治療の革新の一つ、免疫チェックポイント阻害剤について。ほかの免疫療法との区別の説明が大雑把なことなんかがきになったりはしつつ、勉強になった。自分の周りでは医療について関心の強い人は多いけれども、財政や薬の開発の話はほとんど議論にあがらない。あげにくいのはわかるが、ちゃんと考えておかなければならないと思う。

 

姉崎等、片山龍峯『クマにあったらどうするか』

アイヌ民族最後の猟師へのインタビュー。面白い話がたくさん。他方、インタビューで話が出ていても、脳内でうまいことイメージがうかばないエピソードも多数。要補助線。もしくは図解。

 

前野ウルド浩太郎『ウルド昆虫記 バッタを倒しにアフリカへ』

面白い、が、ブログ感。むしろ、著者が全力でバッタの話してくれる本を読みたい。

 

伊吹有喜『カンパニー』

都合がよく話が進むエンタメの楽しさ。

 

森見登美彦『聖なる怠け者の冒険』

長い。

 

読んだことを忘れている本もありそうですが、そこそこ読みました。医学系をこの間結構勉強しましたがそちらは割愛。

読みたい本が山のようにあるけれど、遅読はそんなに早くは治りません。

小説やルポルタージュの合間で、すこし政策とか労働問題とかのお勉強もしてみようかなとか思う今日この頃です。